ザギトワら輩出した虎の穴の秘密。
「エテリ軍団」はさらに勢力拡大中 (3ページ目)
かつてトゥトベリーゼコーチのもと、若くしてシニアデビューを飾って活躍した選手に、ユリア・リプニツカヤ(ソチ五輪団体戦金メダル。2014年世界選手権銀メダル)がいる。代名詞のキャンドルスピンや感情豊かな表現力で、物語性のあるプログラムを演じれば右に出る者はいない逸材だった。だが、思春期の成長過程で体重増加を防ぐことができず、メンタルケアも順調とはいかなかった。結局、ケガや摂食障害の治療を経て、2017年9月に引退。19歳で表舞台から去ることになってしまった。
世界で活躍する日本人スケーターが次々と登場し、「日本には選手製造工場がある」と言われた時代もあったが、いままさにロシアではその工場がフル稼働中で、続々とトップスケーターの卵たちが誕生している。そのホープたちがリプニツカヤの轍を踏むことなく、息長く活躍できることを願いたいところだ。
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