2019.03.26

羽生結弦は燃えている。チェンと比較して
「ノーミスでも勝てなかった」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

世界選手権2位ながらも300点越えを果たした羽生結弦 3月23日まで行なわれた世界フィギュアスケート選手権。羽生結弦は、323.42点を出して優勝したネイサン・チェン(アメリカ)に22.45点差で2位になった。その結果について、「今回は僕がショート、フリーともにノーミスをしても、たぶん勝てなかったと思う」と振り返った。

 羽生が、チェンとの戦いを考えた時に前提にしたのは、チェンの全米選手権での滑りだった。チェンは、フリップとトーループの4回転を入れたショートプログラム(SP)、ルッツとフリップ、トーループの3種類4本の4回転を入れたフリーをノーミスで滑り、342.22点を獲得した。また、これまで苦手にしていたトリプルアクセルも、フリーで3.20点の加点をもらう出来にしていた。

 ISU(国際スケート連盟)公認記録にならないその得点は、国内大会であるがゆえに少し高めに出されたものではある。それを考慮して、GOE(出来ばえ点)や演技構成点の評価を、チェンのこれまでの国際大会の結果と比較して調整した場合、少し控えめに見積もっても、SPは107点台前半で、フリーは216点台後半。実質的には、合計324点前後ではないかと推計できた。

 それに対して羽生の得点の最大値を考えると、SPでは本人が「この構成ではマックスに近い」と話した、グランプリ(GP)シリーズ・ロステレコム杯(ロシア大会)の110.53点。そして、フリーはGPシリーズ・フィンランド大会の190.43点を基準にして、ミスをしたジャンプをこれまでのよかった時と比較して、演技構成点もそれにともなって2点ほど高くなると計算すれば、GOEも含めた合計でプラス19点は稼ぐことができる。その場合、フリーは209点前後で、合計は320点ほどになる。