紀平梨花、世界選手権に胸高鳴る。「疲労もプレッシャーもない」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 浅田真央が優勝した2014年大会以来となる日本開催の世界選手権が、20日からさいたまスーパーアリーナで行なわれる。20日の女子ショートプログラム(SP)に向けて始まった公式練習では、出場する日本の3選手が、それぞれの思いを胸に本番リンクで練習に取り組んでいた。

全日本選手権で2位となり、世界選手権に初出場する紀平梨花全日本選手権で2位となり、世界選手権に初出場する紀平梨花 今大会の優勝候補筆頭に挙げられているのが、16歳の紀平梨花だ。初出場の世界選手権に向けて、前哨戦となる四大陸選手権を初制覇するなど、調子は上々と言える。シーズン中、スケート靴の調整に苦心しながらも、しっかりと結果を出してきたデビューシーズンの最終章をしっかりとまとめられるか。

 18日の公式練習では、午前と午後の2回の練習でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を計15本成功させた。得意のジャンプには安定感があり、滑り込んできたステップやスピンもキレがあった。練習後の会見でも、自信をうかがわせる発言を口にした。

「今大会に向けての練習では、フリーの振り付けのブラッシュアップとジャンプの確認をしっかりやってきました。SPですべてのジャンプをしっかり跳ぶことが大事かなと思っていて、あとはフリーのトリプルアクセルを決めるといい波に乗っていけるので、SPでミスのないようにということと、フリーのアクセルは絶対に集中して跳びたいなと思っています。

 SP、フリーで完璧な演技をすれば優勝も見えてくると思うので、しっかりノーミス演技を揃えることだけを考えていきたいと思います」

 今季、鮮烈なシニアデビューを飾った紀平は、一躍「時の人」になった。グランプリ(GP)シリーズの初陣となるNHK杯で自己ベストの世界歴代2位(当時)となる合計224.31点を出し、全日本選手権4連覇中の宮原知子を破り、日本勢初のGPデビュー戦優勝を成し遂げた。

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