宇野昌磨は奮闘を続ける。「羽生選手のようにならなきゃいけない」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 これまで課題にしてきた回り過ぎは解消できていたが、「今日はトーループには自信がなさ過ぎたので、最初から4回転+2回転にするつもりだった」と言う。本番ではキレイに降りて3回転をつけてもよかった状態だったが、その思いが2回転にとどめさせた。

「粘り切った、耐えたという滑りでしたけど、今までの練習は充実していたし、いい練習ができていた。その練習を考えるととても残念な結果になりました」

 それでも、翌日のフリーではその気持ちを少し切り替えた。

「試合で4回転トーループを跳べたことが少し自信につながったのかなと思います。朝の公式練習もいつもどおりにできたけど、曲かけではトーループを失敗したくなかったから全部スルーしました。無駄に自信を無くすようなことはしないようにしようと思って。でも終わってみれば、もうちょっと自分に自信を持って演技ができたらなと思いました」

 宇野は最終滑走。4番滑走のチェンは公式練習から好調だった最初の4回転フリップをきれいに決めたが、不安を見せていた4回転ルッツは回転不足になって転倒。そのあとの4回転トーループもステップアウトで連続ジャンプにできなかったが、後半の4回転トーループに3回転トーループをつけてリカバリーすると、最後の3連続ジャンプの3回転サルコウはわずかに着氷を乱すだけで、合計を282.42点にした。

 それに対して宇野は、練習で好調だった最初の4回転サルコウが両足着氷のダウングレードになり、次の4回転フリップも回転不足。そのあとの単発の4回転トーループをしっかり決め、後半の4回転トーループ+2回転トーループとトリプルアクセルは2.85点と2.86点の加点をもらう出来にして盛り返した。

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