挽回して5位の本田真凜。コーチが諭す「シニアで戦う心構え」はあるか (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「昨日は本当によくない演技をしてしまったので、その反省をして、気持ちの部分でどう持っていったからよくなかったのかなど、今朝の練習までずっと考えていました。こっちへ入ってから思ったような練習ができなくて、自分が望んでいたレベルアップした構成も何もできなかったので、それは次の課題になったのかなと思います。でも、今日に関していえば、今の自分ができることはすべて出せたのではないかと思います」

 実は、大会期間中の本田の体調は万全ではなかった。カナダ入りした時はよかったが、少し張り切って練習をし過ぎたせいか、2日目の練習の途中から左臀部に少し違和感を感じるようになり、それが徐々に痛みとなって出てきていた。そのため、競技初日からは公式練習の途中から入ってきて、すぐにリンクからあがるような状態だった。

 それでも「出ると決めたのは自分なのだから」と濱田コーチとも相談して出場。この日も、試合前に痛み止めを服用して臨んだという。そんな影響もあってか、この日の演技は、本人は納得しているものの、ジャンプやスピンなどの要素は確実にこなそうと意識しすぎたのか、全体的にメリハリに欠けていたのも確かだ。

 雄大な曲のイメージに比べ、演技自体にやや軽さを感じさせてしまう部分もあった。それについて濱田コーチは、「やはり大人のスケーターになるにはまだまだ(時間がかかる)かなと思って見ていました」と苦笑する。

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