宇野昌磨は「疲れていても300点超」。
体力強化の分は全部伸びしろ

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 平昌五輪で金メダル争いに絡んでくる実力をつけてきた宇野昌磨が、10月28日に行なわれたグランプリ(GP)シリーズ第2戦のスケートカナダで男子シングルを初制覇した。前日のショートプログラム(SP)で首位だった宇野は、この日のフリーでも2位に27.05点差をつける197.48点で1位となり、合計301.10点で優勝を飾った。これで昨季のスケートアメリカ以来、GPシリーズは3勝目となる。

フリー演技も首位で、圧倒的な差をつけて優勝した宇野昌磨フリー演技も首位で、圧倒的な差をつけて優勝した宇野昌磨「多分、傍(はた)から見れば満足していない演技だったと見られるかもしれないですけども、僕のなかでは割と満足していて、昨日のSPがすごく体が動いて気持ちも上がったのに比べると、今日は昨日の半分くらいしか動けていないし、気持ちも上がっていないわけではないんですけど、すごい平常心すぎて何も感じていないという感じでした。ただ、その状態にしてはやりたいことがちゃんとやれたので、よかったかなという思いです」

 フリーは冒頭の4回転ループをきれいに跳んだ。しかし、次の3回転ループは回りすぎて前のめりになり、手をつきそうになるミスを出して苦笑い。プログラム後半最初のジャンプだった4回転フリップは着氷が詰まって回転不足となり、4回転トーループでは軸が斜めのまま降りてしまい、両手をつく失敗だった。ジャンプにやや精彩を欠いたが、それでも、今大会の目標に掲げていた3つの連続ジャンプは、しっかりと成功させた。調子が悪い中での挑戦にも関わらず、終盤の連続ジャンプにはいずれもGOE(出来映え)加点がつき、最後まで粘りのパフォーマンスだった。
 

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