羽生結弦が語ったグランプリシリーズ
初戦で「4回転ルッツを跳ぶ理由」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 グランプリ(GP)シリーズの初戦、ロシア大会のロステレコム杯が始まる前日の10月19日、羽生結弦は、午前10時半からの公式練習でフリーの『SEIMEI』を演じた。

 冒頭のジャンプには、その直前に両足着氷になっていた4回転ルッツを持ってきたが、それはパンクして1回転。それでも続く4回転ループと3回転フリップを決めると、後半には最初の4回転サルコウを3連続ジャンプにして決める。4回転トーループは着氷を少し乱れたために2本とも単独ジャンプにし、トリプルアクセルは連続ジャンプと単独ジャンプの両方をしっかり決めて曲かけ練習を終えた。

グランプリシリーズ初戦に臨む羽生結弦グランプリシリーズ初戦に臨む羽生結弦

 最初のルッツを4回転にするのは、この演技構成を明らかにした時から予定していたものだ。その構成にGPシリーズ初戦から挑戦する理由を、羽生はこう説明した。

「今まで練習をやってきて、『ルッツを入れられるな』と思ったのが、今回(4回転ルッツを)入れることにした理由のひとつですね。五輪へ向けてこれからどんどん試合を重ねていくわけですけど、実際には試合数も限られていますから。本番へ向けて、試みた回数というのも一つひとつ大事になっていくと思うので、その意味でも、できるだけやりたいと考えました」

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