天才ジャンパー・浅田真央を引退に
至らしめたトリプルアクセルの封印 (3ページ目)
愛らしい容姿と明るい性格。周囲の大人たちとも笑顔で受け答えをし、挨拶をしっかりすることも印象的だった。話すときはいつも「真央は......」と自分の名前を最初につける天真爛漫な女の子だった。一方では負けず嫌いを自認し、練習の虫と言われるほど、休むことなく練習に励んできた。一途にフィギュアスケートに取り組む芯の強さは、女子フィギュア界の中で右に出るものはないと言っても過言ではないだろう。
同い年の「永遠のライバル」キム・ヨナの存在も、浅田真央を一層輝かせた。世界のトップを争うライバルが身近にいたことで、天才ジャンパーだった浅田は表現力でも幅を広げようと努力を惜しまず、フィギュアスケーターとしてスケールアップしていった。
バンクーバーで敗れた浅田真央は、五輪の金メダリストにはなれなかった。だがフィギュアスケート界を超えて、さらには日本のスポーツ界を超えて、国民的アイドルにまでなった浅田真央のスケートは多くの人たちに愛されてきた。そのフィギュアスケート人生は、今後も語り継がれていくに違いない。
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