若いふたりに先行された羽生結弦。攻める気持ちは「得意のパターン」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 2月17日に行なわれたフィギュアスケート四大陸選手権の男子ショートプログラム(SP)は、12月のGPファイナルで表彰台に上がった3人、羽生結弦、ネイサン・チェン(アメリカ)、宇野昌磨の緊張感ある戦いとなった。

2カ月ぶりの試合となる四大陸選手権で、SP3位発進の羽生結弦2カ月ぶりの試合となる四大陸選手権で、SP3位発進の羽生結弦 先陣を切ったのは第4グループのネイサン・チェン。1月の全米選手権でSP、フリーともノーミスで318・47点を出して初優勝した好調さそのままに、今大会もノーミスの演技を披露。国際大会自己最高の103・12点を獲得した。

 最終第5グループ2番滑走の羽生は「たぶん、ブライアン(・オーサーコーチ)が(チェンの結果を)見せないようにしていたと思うので、(得点は)全然知りませんでした......。でも、『たぶんノーミスをしているんだろうな』と思っていました」という。

 羽生は6分間練習で4回転サルコウを単発で2回決めながらも、4回転ループは一度も決まらずに終わっていた。また、演技直前ではいつものようにトリプルアクセルを跳ぶことなく、3回転ループを一度跳ぶと、あとはループへの入りと4回転サルコウ+3回転トーループの入りを確認しただけ。そのまま静かな雰囲気で名前がコールされるのを待ち、演技が始まると落ち着いた滑りで最初の4回転ループはGOE(出来ばえ点)2・29点のきれいなジャンプを決めた。

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