髙橋大輔らトップ選手を支えた栄養士が語る「秋冬のアスリート食」 (2ページ目)

  • 川喜田研●構成 text by Kawakita Ken

 では、どうやって抵抗力を上げるのか? まずは病気の菌やウイルスが体に入ってこないようにすること。これは食事以前の話ですが、きちんと手洗いやうがいを習慣づけるとか、毎日、部屋の換気をする。大学の体育会系スポーツだと、けっこう寮の部屋が汚かったりするんですね(笑)。そういう時は「せめて、顔に触れるお布団の襟元と枕だけでもタオルを掛けて使って、毎日洗いなさい......」といったアドバイスから始めなきゃいけないこともあります。

■寒くなるこの季節、水分とオレンジ色の野菜・果物が重要なワケ

「抵抗力」「免疫力」のアップについて、まず必要なのは「風邪の菌やウイルスの入り口」である、鼻や喉などの粘膜の強化です。そこで大事なのが、しっかりと水分を摂って、粘膜に潤いを保つこと。子どもの頃に泥遊びしていて、手がガサガサだとすぐに汚れるけど、手に水分があって、しっとりしていると泥が手につきにくい......ということと似ていて、粘膜に十分な潤いがあれば、菌やウイルスが付着してもブロックしてくれます。

 そこで重要なのが、水分の補給。実は、この時期は空気が乾燥していて体表から蒸発してしまうため、水分が不足気味。ところが、暑い夏と違ってあまり水を飲みません。ただ、選手たちが感覚的に水を飲みたいと思っていないのに、無理やり「水分をしっかり摂って」と言ってもなかなか難しいところがあります。ですから、お味噌汁やスープを入れるお椀やボウルをいつもより大きくする。そんな工夫で、さりげなく毎日の水分の摂取量を増やせるようにしています。

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