浅田真央、ソチ五輪金メダルへの道を順調にスタート
ソチ五輪を控えたオリンピックシーズンが本格的に始まったフィギュアスケート。世界各地の大会で日本選手の活躍が報道され、いよいよ熾烈な五輪代表レースの幕が切って落とされた。今季のテーマは世界的にも「集大成」になりそうだ。表彰台の常連だった成熟した世界のトップ選手たちが、軒並み今季をひとつの区切りと考えており、ソチ五輪が世代交代のターニングポイントになるだろう。
シーズンの幕開けとなる日本、北米、欧州の3地域対抗戦のジャパンオープンが、5日、さいたまスーパーアリーナで行なわれ、日本が2年連続6度目の優勝を飾った。この大会は1チーム4人(男女各2人)の混合団体戦で、フリー1種目のみの合計点で争われる。日本の連覇に貢献したのは、今季をこれまでのスケート人生の「集大成」と位置づけ、並々ならぬ覚悟で臨む浅田真央だった。シーズン最初の大会であるこのジャパンオープンで、いきなり大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳んできたことからも、その意気込みを感じさせた。
今季開幕戦となるジャパンオープンで順調な仕上がりを見せた浅田真央 この日初披露されたフリーは重厚な曲調で、ロシアの作曲家ラフマニノフ作の「ピアノ協奏曲第2番」。どんな衣装を身にまとうのか、注目されたコスチュームは、青と黒を基調とした力強いイメージのデザインで、フリーを振り付けたタチアナ・タラソワ元コーチが手がけたという。浅田は「体の中心からパワーが出るような衣装になっていて気に入っています」と語る。これまで五輪女王は五輪の年の衣装に青を取り入れてきた。それも今季のコスチュームのコンセプトに少なからず関係しているのかもしれない。
競技者として最後のシーズンとなるであろうと表明した今季は、オフシーズンから気合の入り方がいつもとは違っていたようだ。浅田の練習を見る機会があったという荒川静香氏は「表情や目に曇りがなく、競技人生の理想を完結させるという気持ちを感じた」と語る。ここ数年、スロースターターとしてシーズン序盤は不安定要素が多かったが、今季はプログラムの曲名も早い段階で発表し、順調な仕上がりを見せている。
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