【フィギュア】安藤美姫がソチ五輪に出場するためのカギは?

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 9月26日からドイツのオーベルストドルフで開催されたネーベルホルン杯で競技復帰を果たし、国際スケート連盟が設定する技術点のミニマムポイントもクリアした安藤美姫。

 10月13日からは、ソチ五輪出場を果たすためのラストチャンスである全日本選手権(12月下旬)へ向けた国内緒戦となる、関東選手権に出場した。

 シニアの出場選手は5名だったため、滑りきれば順位に関係なく次の東日本選手権(11月1日~)の出場権を獲得できることになったこの大会、注目は、安藤がどれだけ格の違いを見せてくれるのかにあった。

会場には安藤の復帰戦を見ようと多くの観客が集まり、チケットは完売だった会場には安藤の復帰戦を見ようと多くの観客が集まり、チケットは完売だった まず、10月13日。「今回はショートプログラムを重視して練習をしてきた」という安藤は、先のネーベルホルン杯ではふたつ目の2回転ループが回転不足になっていた冒頭の3回転ルッツ+2回転ループをきれいに決めた。続く3回転ループは回転不足をとられたものの、3つのジャンプとスピンやステップの7つの要素をきっちりと決め、スピードを抑えた丁寧な滑りで演技を通した。

 だが得点は伸びず、ネーベルホルン杯の59・79点を下回る56・25点。スピンやステップのレベルは最後のレイバックスピン以外は4と3だったが、GOE(出来ばえの評価)は余裕を持って決めた後半のダブルアクセルで0・70点の加点をもらえたのが最高で、芸術要素点も7・00点が最高。他の選手を圧倒するスタートとはならなかった。

 翌14日のフリーでは、冒頭の3回転ルッツと3回転ループはともに回転不足となり、GOEでもルッツは0・98点、ループは0・70点の減点をされる滑り出し。さらに中盤のダブルアクセル+2回転トーループでは着氷でぐらついて0・90点の減点を受けると、後半の3回転トーループが2回転になって手を付いてしまうミス。6分間練習では成功していたダブルアクセルのあとに2回転ループを2回つなげる3連続ジャンプも、単発になってしまった。

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