【女子プロレス】伊藤麻希にとってはイジメも「自分を引き立たせるスパイス」 アイドルをクビになって「万歳!」から始まった逆転劇 (3ページ目)
――そんなアイドル活動中の2013年8月、DDT両国国技館大会に出演することになります。プロレスとの最初の接点ですね。
伊藤:LinQに入った時、私は「当然センターになれる」と思っていました。でも、現実は端っこ。「大人の見る目がないなら、自分からセンターに行ってやる。誰よりも目立ってやる」という作戦に出たんです。SNSで炎上すれすれの投稿をして人目を引こうとしました。
そこに食いついたのが髙木三四郎だったんです。「お前、プロレスラーに向いてるよ」と言われました。それで、両国大会にアイドルとして参加したのですが、気づけば場外乱闘に巻き込まれていました。
――プロレスを本格的にやろうという気持ちはあったんですか?
伊藤:まったくなかったです。私の夢は「ソロアイドルとして売れること」だったので、両国の場外でやり合っていても、自分のなかでは「アイドルの仕事」だと思っていました。ただ、アドリブで髙木三四郎に放ったヘッドバットが、予想外の反応を呼んだんです。
当時歌っていた200人規模のホールでは、私の歌声では誰も盛り上がらなかったのに、私のヘッドバットを見た両国国技館の8500人のお客さんが"イトウ・コール"を送ってくれたんですよ。あの時の快感は忘れられません。「私はプロレスに向いているのかもしれない」と思い始めたのは、あの瞬間ですね。
【3年間の葛藤の末に飛び込んだプロレス界で覚醒】
――本格的なプロレスデビューは2016年(東京女子プロレス)と、そこから約3年かかりました。
伊藤:覚悟が決まらなかったんです。「アイドルで売れたい」という夢を捨てきれなかったし、何より「私みたいな可愛い子がプロレスなんてやるべきじゃない」と、どこかで思っていましたから(笑)。プロレスの興行には「たまにゲスト参戦して、美味しいところを持っていくのが一番いい」という甘えもありました。
――そこから、デビューを決意した理由は?
伊藤:「自分はアイドルとしては売れないんだ」と悟ったんです。3年かけて気づいてしまった。だったら、「プロレスラーとしてひと皮むけたい」とリングに上がりました。
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