【ボクシング】元ヘビー級王者が指摘する、中谷潤人が接近戦でやるべきだったこと それでも井上尚弥との対決は「ジュントが有利」 (4ページ目)
1984年にWBCヘビー級、1986年にはWBAで同級タイトルを獲得したティムは、井上vs.ピカソ戦についての感想も述べた。
「ワンサイドだった。実力差がありすぎたよ。イノウエは終始、余裕を持ってピカソを料理したね。自分を脅かす要素が何もない相手に、順当に挙げた勝利だ。2ラウンドから重いボディブローを何発もヒットした。
ただ、ナオヤ・イノウエの特徴って、爆発力だと俺は思ってきた。全盛期のマイク・タイソンみたいな、身の毛がよだつほどの凶暴さだ。しかも、それは多彩な攻撃で、上下に打ち分ける高速コンビネーションを基盤としてのものだった。今回も圧勝だったが、いつもの破壊力は見せなかったね。どうしたんだろうな。サウジアラビアでの調整に、難しい部分があったのかもしれない。イノウエが何ラウンドで試合を終わらせるか、ファンの関心はそれに尽きていただろうよ」
ついに実現する5月の井上尚弥vs.中谷潤人に関してもティムは語った。
「最初から最後までイノウエは余裕を見せていたね。流してファイトしても勝てる相手だった。ピカソとエルナンデスじゃレベルが違うさ。個人的には、メインイベントよりもセミファイナルのほうが見応えがあったね。俺は、今回のサバイバルを制したジュントが有利だと思う。苦しんだ経験は必ず生きる。もっとジャブを使った組み立てと、自分の距離での戦いを貫くことが肝心だ。そして、インサイドでの打ち合う時の防御。
ボクシングって、基本をどのくらい丁寧にやるかが大事なんだよ。繊細な仕事の積み重ねが勝敗を分ける」
5月の井上戦に向け、中谷はどれだけ成長できるのか photo by Hiroaki Finito Yamaguchiこの記事に関連する写真を見る
元世界ヘビー級チャンピオンはこれまでと同様に、いかにディフェンスが大切かを説き、結んだ。
「俺が68歳になっても脳へのダメージがなく、こうやってお前と会話できているのは、常に打たせないボクシングを心掛けたからさ」
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全米最悪の犯罪多発地域で名トレーナーに師事、拳ひとつで道なき道を歩んできた孤高の逆輸入ボクサーのリングに懸ける想い、家族との絆、かつての名王者との交流、そして運命の頂上決戦へ――。本人はじめ家族、日米の多数関係者に徹底取材!
著者プロフィール

林壮一 (はやし・そういち)
1969年生まれ。ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するもケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。ネバダ州立大学リノ校、東京大学大学院情報学環教育部にてジャーナリズムを学ぶ。アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(以上、光文社電子書籍)、『神様のリング』『進め! サムライブルー 世の中への扉』『ほめて伸ばすコーチング』(以上、講談社)などがある。
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