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【ボクシング】元ヘビー級王者が指摘する、中谷潤人が接近戦でやるべきだったこと それでも井上尚弥との対決は「ジュントが有利」 (3ページ目)

  • 林壮一●取材・文 text by Soichi Hayashi Sr.

 ファンは打ち合いを望むし、見応えもあったけれど、ボクサーはダメージを受けちゃいけない。人生を棒に振ることになるからな。だからこそ、ディフェンスが大事なんだ。インファイトをするなら、リズムを取って体を揺らして的を絞らせないこと、肩でも腕でもグローブでも相手のパンチをブロックして喰らわないこと、左右のフックはダッキングで空転させることが必要だ。ジュントはもっと防御をレベルアップさせたいね」

 10ラウンドの中谷は、エルナンデスの前進を躱そうとフットワークを駆使したが、ロープ際で何発か被弾した。

「ジュントの右目が腫れ出したのは8ラウンドか。バッティングでだな。11ラウンドの前、右目が塞がりつつある状態で、とても溌剌(はつらつ)とした表情でコーナーを離れた。あの顔を見て、彼は本物のチャンピオンだとあらためて感じた。強いよ、自分に対しても。が、やっぱりアッパーにこだわっていたな」

【井上戦も見た上での直接対決の予想】

 中谷は3-0の判定で勝利したが、「エルナンデスが優勢だった」と、結果に異を唱える人間が少なからず存在する。

「ジュントがロープに下がったシーンは見栄えが悪かったが、勝利は明白だ。クリーンヒットの数を比べてみろよ。まぁ、ボクシング界には信じられない採点をするジャッジもいるがな。誰が何を主張しようがジュントの勝ちは動かないさ。エルナンデスだって判定を聞いた折、拍手していただろう。負けを認めたのさ」

リモートでインタビューに答えたウィザスプーン。右下は筆者 photo by Soichi Hayashi Sr.リモートでインタビューに答えたウィザスプーン。右下は筆者 photo by Soichi Hayashi Sr.この記事に関連する写真を見る

 COMPUBOX社が弾き出したデータによると、中谷が放ったパンチは837、そのうち297ヒット。エルナンデスが921分の273。中谷が繰り出したジャブの総数は355、そのうち71を当てている。エルナンデスは142分の26。パワーショットは中谷の482、エルナンデスは779。中谷は46.9%のパンチをエルナンデスに与えたが、メキシカンファイターは31.7%に終わった。リングジェネラルシップの観点から、攻める姿勢を重視する面もある。

「ジュントにとって122パウンド(スーパーバンタム級)の初戦だよな。俺はGoodと評価する。もっとジャブを多用して試合を運ぶべきだし、接近戦を選ぶならヘッドスリップやブロッキングで相手のパンチを喰らわないようにしないと。そこらへんが今後のテーマになりそうだ」

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