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【ボクシング】中谷潤人はなぜ苦戦したのか 本人とセコンドが振り返る課題と、井上尚弥との試合までにやるべきこと (4ページ目)

  • 林壮一●取材・文 text by Soichi Hayashi Sr.

 中谷は、同じ興行のメインイベントに出場した井上尚弥(大橋)vs.アラン・ピカソ(メキシコ)戦を目にして話した。

「控室のモニターで見ました。相手のパンチに合わせる井上選手のタイミングは絶妙です。そして、『鋭いショットを打つな』と思いました。今回、とても勉強しましたから、肥やしにして自分を成長させていかなくてはと感じています。こんな試合をしながら大きなことは言えませんが、勝機はあると信じているので」

ピカソ(右)を判定で下した井上 photo by Hiroaki Finito Yamaguchiピカソ(右)を判定で下した井上 photo by Hiroaki Finito Yamaguchiこの記事に関連する写真を見る

 岡辺も言った。

「同じことを繰り返すと、井上選手には絶対当たらないですからね。パンチの軌道、スピード、タイミング、角度、いろんなものを変えていかないと。井上選手って、弱点もパターンもないんですよ。ガードの向こう側、真ん中、上、下、右、左と空いたところを目がけて打ってきます。

 ですから潤人も、できる限り工夫しないと。ワンパターンになっちゃうと絶対にヒットできないでしょう。それらを伸ばして、スーパーバンタム級にフィットさせて5月を迎えたいです。ピカソとやるより、エルナンデスは潤人の今後にとってはるかにプラスになる相手でした」

 中谷潤人は、122パウンド初戦で確かに苦戦した。が、彼はスーパーバンタム級にアジャストした状態でモンスター戦のリングに上がるだろう。5月の東京ドームでは、進化した姿を披露するに違いない。

 試合当日まで、どれだけ血の汗を流すか――。女神の微笑みを得るべく、中谷は全力疾走を続ける。

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著者プロフィール

  • 林壮一

    林壮一 (はやし・そういち)

    1969年生まれ。ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するもケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。ネバダ州立大学リノ校、東京大学大学院情報学環教育部にてジャーナリズムを学ぶ。アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(以上、光文社電子書籍)、『神様のリング』『進め! サムライブルー 世の中への扉』『ほめて伸ばすコーチング』(以上、講談社)などがある。

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