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【ボクシング】中谷潤人はなぜ苦戦したのか 本人とセコンドが振り返る課題と、井上尚弥との試合までにやるべきこと (2ページ目)

  • 林壮一●取材・文 text by Soichi Hayashi Sr.

【想定以上に頑丈だったエルナンデス】

 中盤以降、中谷は右目が腫れ上がり、視界が塞がっていく。

「最初に頭が当たって、その後エルナンデスの右をもらいました。でも、こういう状況に陥っても落ち着いて戦えるように準備していたので、右目が多少見えなくなることにも対応できました。セコンドもエンスウェルを使って対処してくれました」

 エンスウェルとは腫れ止めに使う金属製の器具で、皮膚に押し当てて腫れを外側に逃がし、かつ傷を冷やす効果がある。もっとも筆者は、中谷がこのようなダメージを受ける姿を見たことはなかった。

「なんて言うんだろうな......。自分が思っていたボクシングじゃないところ、クロスレンジ......エルナンデスの距離になって、相手を乗せすぎました。僕が巻き込まれていったのでしょうか。そのあたりが反省点です。

 相手の距離で戦う時間を与え、エルナンデスを勢いづかせてしまいましたね。むこうは手数が増えました。やっぱりそこがよくなかったですし、しっかり切り替えて自分のボクシングができなかった点も課題です」

ジャッジ3人のスコア表 photo プロモーター提供ジャッジ3人のスコア表 photo プロモーター提供この記事に関連する写真を見る

 サブセコンドとして中谷を支える岡辺大介(48歳)は、エルナンデス戦の翌日に語った。

「相手のパンチ力よりも、体の強さに驚かされました。これが122パウンド(スーパーバンタム級)かと。今までの相手ならもう倒せている、止めている、という局面でもエルナンデスは前に出てきた。決して器用なタイプじゃないけれど、叩き上げのいい選手で、想定した以上に頑丈でした。根性もあったし、尻上がりに強くなっていきました。気持ちで戦うタイプでもありましたよね。

 潤人は途中で、『距離をとった戦いに修正したい』と考えたはずです。でも、展開を変えることはとても難しい。それで相手に付き合ってしまったように思います」

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