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【証言・棚橋弘至】「家ではどんな生活を送っているんだろう?」上村優也が見た新日本プロレスのエースの孤独 (3ページ目)

  • 井上崇宏●取材・文
  • 市川光治(光スタジオ)●構成

── 同じプロレスラーから見て、棚橋弘至はどういうタイプの選手ですか?

上村 とにかく全力で相手に向かっていく、何事にも全力を尽くすタイプの選手ですよね。ファンとして見ていた頃からヒーローでしたし、正統派のレスリングをするベビーフェイス。僕が思うに、今の日本におけるベビーフェイスのイメージって、棚橋弘至だと思うんです。「棚橋弘至=ベビーフェイス」という存在そのものという気がしますね。

【言葉ではなく闘いで証明する】

── プロレスにおいてベビーフェイスであり続けることは、じつは一番大変なポジションというか、反体制、ヒールのほうが絶対的にスポットライトを浴びやすく、注目されやすい存在ですよね。それはプロレスに限らず、一般社会においても。

上村 そうですね。

── ヒールだからルールなんて守らないよね、と(笑)。

上村 ベビーフェイスはリング外でも常にルールを守って、理想であり続けなきゃいけない大変さというのはあるかもしれないです。発言にしても、否定的なことは言いたくない。

── ぐっと我慢しちゃうというか。

上村 どんなことも全部飲み込んで、相手選手からの批判にもぐっとこらえながら、すべてリング上での試合で返す。ベビーフェイスとはそういうことなのかなと思っています。試合以外でも、見ている人をスッキリさせるような発言をするという方法もあるんでしょうけど、基本は僕自身がどうなりたいのか、その姿勢をリング上やバックステージで見せていきたいなと思っています。

 プロレスをもっと盛り上げたいっていうのは、プロレスラーなら誰もが思っていて、それはファンの人たちもそうなんじゃないかと思うんですね。それはもちろんのこと、僕はプロレスラーである以上は「強くなりたい」、「世界一のプロレスラーになりたい」と思っているので、そこに向かっていく姿勢を発信し続けていきたいです。

── プロレスを盛り上げたいという気持ちと同時に、自分のプロレスラーとしての夢も叶えたいと。

上村 その過程を見せていきたいと思っています。

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