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【ボクシング】山中慎介が断言 井上尚弥や中谷潤人を筆頭に「スーパーバンタム級でも日本人同士でベルトを争う時代がそこまできている」 (3ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【武居の王座陥落と勢力図】

――武居選手がメディナ選手に4回TKOで負け、WBO世界バンタム級の王座から陥落となりました。

「メディナは前評判どおり実力が高かったですね。1ラウンドに衝撃的なダウンを奪ったあたりから、その強さがはっきり出ていました。ミドルからショートレンジに入る絶妙な距離感で、思いきりのいい左右のフックを振れるし、右のノーモーションのストレートもある。強さに加えてうまさもあるタイプです」

――出力の高さを感じる猛攻でした。

「空振りしただけでもパンチの強さが伝わってきましたよね。それに加えて、武居対策をしっかりしてきた印象もありました」

――武居選手のパンチに合わせていた?

「序盤からタイミングが合っていましたね。常に打ち終わりを狙っていて、同時打ちも仕かけていました。もともと武居は、遠い距離からの上下打ち分けもうまい選手なんですけど、メディナの狙いを警戒して出られなかった。そのうちに距離を詰められて連打をもらいました」

――最初のダウンは、メディナ選手の左ボディからの右フックでした。

「下を見せておいて上で倒す、最近よく見るパターンのひとつですよね。このダウンが本当に大きかった。武居も2ラウンド目に攻勢に出て立て直そうとはしましたが、メディナがそれを許さなかった。メディナは4敗していますが、KO負けはなく、実力のあるタフな選手だと思いましたね」

――メディナ選手の直近の敗北は、西田選手との対戦での判定負け(IBF世界バンタム級挑戦者決定戦)です。

「今回の試合を見て、あらためて『西田は距離の取り方がうまいんだな』と思いました」

――その西田選手は、IBFからヘルウィン・アンカハス(フィリピン)選手とスーパーバンタム級の挑戦者決定戦を指示されたという報道も一部であるのですが、ここに勝てば井上選手と、という流れもあるのでしょうか?

「井上は、中谷との試合次第ですよね。フェザー級に上げる可能性もありますから。同じ階級で世界を狙っている村田昴(WBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王者/帝拳)らもいますからね」

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