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【ボクシング】山中慎介が断言 井上尚弥や中谷潤人を筆頭に「スーパーバンタム級でも日本人同士でベルトを争う時代がそこまできている」 (2ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【井上と中谷、お互いが見せ続ける新たなスタイル】

――会場には中谷選手の姿もありました。今回の井上選手のスタイルを見たことによる影響はどうでしょう。

「試合後、リング上から井上が呼びかけて中谷が手を上げて応えました。粋なことをしますよね(笑)。今回、井上側からすれば、あれだけ動けるところを見せられたのは大きいですよね。中谷側は、対策として考えることが増えたと思います」

――中谷選手は、かねてから井上選手との対戦を希望していて、いっさいブレないですよね。

「そこがすごいところで、スーパーバンタム級で5つのベルト(WBA、WBC、IBF、WBOの主要4団体に加えて、『ザ・リング』選定ベルト)を獲りにいく、と言ってますからね」

――今回の試合を踏まえて、来年予定されている中谷戦はどこがポイントになりますか?

「今回、井上は攻撃的なアウトボクシングを見せました。一方で、中谷は前回の西田凌佑(六島)戦で、序盤のラッシュや近距離での打ち合いを見せました。お互いが直近の試合で新たなスタイルを披露している。まだ開けていない引き出しも当然あるでしょうし、試合に向けてさらに準備してくるはずです。それが実際の試合でどう表われるのか、そこが一番の見どころになると思います」

――「井上が強い」「中谷が強い」試合ごとに世間の反応も大きく変わりますよね。

「ボクシングは昔から一戦ごとに評価が大きく変わりますからね。ラモン・カルデナス(アメリカ)戦でダウンを喫したことで不安視された井上ですが、今回のアフマダリエフ戦でまた一気に評価が高まりました。そういうところも、ボクシングの面白さだと思います」

――12月27日、サウジアラビアで、井上選手はWBCスーパーバンタム級1位アラン・ピカソ(メキシコ)選手と、中谷選手はWBC同級8位セバスチャン・エルナンデス(メキシコ)選手と対戦することになりました。

「ピカソ戦については、正直、勝負論という点では薄いかもしれません。方や、中谷選手の相手はかなり強い選手だと聞いています。同じ日にリングに上がる2人の試合結果が、来年予定されている直接対決への期待をさらに高めるでしょう。ファンとしても注目の一日になると思います」

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