【格闘技】朝倉海のUFC2連敗に、川尻達也は「絶対に勝たなきゃいけない試合だった」 敗因や適正階級ついて分析した (3ページ目)
インタビューに答えた川尻氏 photo by Shogo Murakamiこの記事に関連する写真を見る
――自分のパフォーマンスを優先するのか、勝つために現実的な階級を選ぶのか。あとは本人が納得できるかどうか、でしょうか。
「そうですね。自分のYouTubeでも話しましたが、『なぜ柔道やレスリングでは70kgや80kgといった階級で日本人が金メダルを獲れるのに、MMAやボクシングでは難しいのか?』という疑問があると思うんです」
――競技人口も関係していると思いますが、階級制で結果が出ている競技と、そうでない競技の差はどこにあるのでしょう?
「あくまで僕の仮説ですけど、レスリングは当日計量でリカバリーする時間がほとんどない。柔道は前日計量ですが、戻し幅はプラス5%までと規定されています。例えば、70kgで計量をクリアしたら、当日は73.5kgまでしか戻せません。戻し幅が狭いほうが、日本人も活躍できるんじゃないかと思います」
――なるほど。リカバリー制限がないと、当日に対峙した時は相手が上の階級になっていることもありますね。
「そう。UFCをはじめ、MMA全般には戻し幅に制限がないんです。むしろ最近は健康面への配慮から、計量時間が早まってリカバリー時間が延びている。以前は前日計量で24時間のリカバリーでしたけど、今は前日の朝に計量することが多いので、36時間くらいを回復に使える。そうなると、海外の選手は平気で10kg以上戻してくる。重くなることがいいか悪いかは別にして、結果的に日本人と比べて、当日の体重差は出てしまいますよね」
――階級変更という点では、川尻さんはRIZINで大きな階級変更もありましたね。
「ライト級(-71 kg)から2階級下げて、バンタム級(-61kg)にも挑戦しましたからね。普通に考えて無謀ですよ。練習していても『これはヤバいな』ってわかるくらいキツかった。
実際の試合(ガブリエル・オリベイラ戦)は、キャッチウェイトの63kgで行なわれましたけど、計量オーバーが怖かったから長期間かけて減量したんですが、練習の質まで落ちてしまいました。むしろ短期間で一気に絞ったほうがよかったんじゃないか、と今では思っています」
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