中谷潤人は井上尚弥と戦う前に統一戦へ 山中慎介が他のバンタム級日本人王者のなかで「一番の強敵」に挙げたのは? (2ページ目)
【バンタム級で「一番の強敵」は?】
――クエジャル選手との試合後、IBF世界同級王者・西田凌佑選手がリングイン。統一戦が現実味を帯びてきました。
「正直、驚きましたね。ついに統一戦へと動き出したかと」
――山中さんから見て、西田選手はどんな選手ですか?
「テクニックがあって、やりづらい選手という印象です。もともとは遠い距離を得意としていましたが、最近は接近戦も見せています。ジャブの差し合いもうまい。中谷とだとサウスポー同士ですから、距離も近くなるでしょう。
今のバンタム級には、4人の日本人王者(WBC:中谷潤人、WBA:堤聖也、WBO:武居由樹、IBF:西田凌佑)がいますが、その中で一番やりづらく、一番の強敵と言えるんじゃないでしょうか」
――西田選手のプロ戦績は10戦10勝 (2KO)、一発で倒すというよりもテクニシャンタイプでしょうか?
「そうですね。アマチュア経験もあって、テクニシャンタイプではあります。ただ、前回の防衛戦(2024年12月15日のアヌチャイ・ドーンスア戦。7回 KOで勝利)では、スタイルチェンジしていました。自分から積極的に攻めて、左ボディでKO勝ち。これまでの距離を取る戦い方に加え、自分から中に入って左のショートを打つなど、引き出しが増えた印象です。
一発で倒すタイプではないからこそ、やりづらさがありますね。アヌチャイを倒した左ボディは、エマヌエル・ロドリゲス戦(2024年5月4日。判定3-0で西田の勝利)でもダウンを奪っていますから、倒すタイミングのうまさもあります」
――一部では今年の6月にも統一戦が行なわれるというニュースも出ていますが、実現したらどんな試合になりそうですか?
「どうなるんですかねぇ(笑)。お互い慎重に入ると思いますが、回を追うごとに中谷が攻撃的になって距離が詰まるでしょう。でも、西田も対応してパンチを返すはず。西田側の武市晃輔トレーナーは、かつては名城信男(元WBA世界スーパーフライ級王者)についていた経験もある優秀なトレーナーです。どんな作戦を練ってくるのかはわかりませんが、西田がそれを試合で実行できれば面白い試合になるでしょう。世間的には中谷のほうが評価は高いですが、決して楽な試合にはならないはずです」
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