井上尚弥の防衛戦を田口良一が語る 井上尚弥&中谷潤人と拳を交えた元世界王者はこの先のビッグマッチも展望 (4ページ目)
RING誌が2024年10月26日に発表したパウンド・フォー・パウンド・ランキングでは、井上は2位、中谷が9位。スポーツ総合チャンネル、ESPNが12月27日に報じたものでは井上が3位、中谷が10位。さらに、RINGおよびCBS Sportsが2023年末にセレクトしたKO of The Yearも中谷のアンドリュー・モロニー戦が受賞した。
「井上くんがバンタム級だった頃の劇的な勝ち方と、ここ数戦の中谷くんのパフォーマンスは似たような感じですね。でも、自分は中谷くんがスーパーバンタムに上げて1戦目で井上くんとやるのは、勧めません。今戦ったら、井上くんが有利です。時が経てば差は縮まっていくでしょうが、現時点でふたりが試合をした場合、仮に10回やったらほぼほぼ井上くんが勝つと思います。ただ、10回やったら10回勝つと言えないところまで、中谷くんが近づいてきているとも感じますね。
中谷くんには、スーパーバンタムにアジャストする時間、試合が必要ですよ。自分もラストファイトとなった試合でいきなりフライ級に上げて田中恒成くんとやりましたが、ちょっと差があったような気もします(0-3の判定負け)。田中くんはパンチがありましたから、彼のパワーなのか階級差によるものなのかはハッキリしませんが、1.9㎏の違いが大きかったのかもしれません。中谷くんはスーパーバンタムに上げて、3戦はこなすべきでしょうね。
間違いなく差は縮まってきていますから、いつ、どの階級でやるかで明暗が分かれるんじゃないでしょうか。自分は、機が熟したらフェザー級でやったら面白いと考えます。時間はかかってしまいますが、2026年の末くらいなら中谷くんが肉薄しているでしょうから、フェザーでの激突が見たいです。お互いがハイパフォーマンスを出せるのはフェザーじゃないかと感じますね。中谷くんも、どのパンチでもKOできるレベルまで自分を持ってきた。2年後は、より筋肉がついて技術も向上しているでしょう」
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