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平本蓮が目の前から消えた? リングアナ歴25年の太田真一郎が明かす『超RIZIN.3』コール秘話 (2ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――さいたまスーパーアリーナに4万8117人を集めた『超RIZIN.3』は、太田さんから見ていかがでしたか?

太田 格闘技には、『THE MATCH 2022』のキャッチコピーにもあったように、「格闘技とは敗者を決めるための残酷な決闘である」という側面があります。勝者がいて敗者がいる。『超RIZIN.3』は、まさに負けた朝倉未来選手の大会でもあったんじゃないかなと思うんです。

 朝倉選手は引退を表明していて、この先どうなるのかはわかりません。それでも、あえて"朝倉選手"と言い続けたい。本当にゆっくり休んでいただきたいですけど、まだ彼が見せてない何かがある、という思いはありますね。

【平本蓮のコールでまさかの事態】

――メインイベントの朝倉未来vs 平本蓮のリングアナウンサーは太田さんでした。どんな気持ちでリングに上がりましたか?

太田 メインだからといって特別な意識はないですけど、やはり気持ちがいいですね。お客さんが平本選手や朝倉選手を目にして自然と盛り上がってくれるんですが、まるで自分のコールが盛り上げたかのように感じられて、すごく嬉しかったです。

――見ている側からすると、太田さんのコールも会場の熱気を生み出しているように感じます。

太田 そう言っていただけるのは本当に嬉しいです。「ミスはできない」というプレッシャーは少しありますが、選手の背中を少しでも押すことが自分の役割だと思っているので、それを全力でやるのみです。

 ただ、『超RIZIN.3』のメインコールではピンチもありました。青コーナーの平本選手をコールする際、『平本~~~』と言った瞬間に目を閉じてしまったんです。次に『蓮』と言おうと思って目を開けたら、平本選手がコーナーにいなかったんですよ。『あれ!?』と思って振り返ったら、反対コーナーの朝倉選手に近寄る彼の姿が見えた。それでターンするような感じで『蓮~~~!!』とコールしたんですが、あれは本当に焦りましたよ(笑)。

――そんなことがあったんですね。まったく気づきませんでした(笑)。

太田 映像を見てもらうと、僕が振り返っているのがわかると思います。コールは、必ずしも選手に向かってしなきゃいけないわけではないんですけど、僕は選手に向かってコールをしたい思いがあるので。

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