中谷潤人が充実のLAキャンプを終了 3階級王者になった今「さらに上を目指すため」に怠らない自己投資 (4ページ目)
「15でアメリカに来た頃は、ルディに見限られたら自分はそこで終わる。いつ『スパーリングだ』って告げられるかわからないから、対応しなきゃいけない。チャンスを逃してはいけない。『この人に認めてもらうんだ』と常に意識していました。自分をそういう状態に持っていっておかなきゃいけかったんです。
あの頃はスパーがない日でも、ヘッドギアやノーファールカップ、スパーリング用のグローブを持っていましたね。たとえ調子が悪くても、モノにしなきゃいけなかった。その積み重ねですよ」
今、中谷はより自分を高められる場所に移動したのだ。
9月20日は世界タイトルマッチと同じ12ラウンド、21日は10ラウンド、23日に13ラウンド、そして最終日となった24日には6ラウンドのスパーリングをこなし、WBCバンタム級チャンピオンは機上の人となった。
20日には一時的に疲れが取れたが、23日にまた体が重くなったと苦笑した。
21日、23日は、マンダパットが再びパートナーを務めた。中谷はルディからの指示どおり、ガードを下げて誘い、接近戦でショートの連打を浴びせた。ただ、打ち込むことはせず、相手に傷を負わせるような内容にはしなかった。
「帰国したら、また時差などに対応しなければなりません。減量も、あと4kgくらいですね。日本で、12ラウンドのぶっ続けのスパーも2回はやると思います」
LAキャンプを打ち上げた日、中谷はこう結んだ。
「僕にとってボクシングは、人生を費やしてきた、自分を発揮できる場所です。リング上の姿から、皆さんに何かを感じ取ってほしい。それが(自分の)表現の仕方なんですよ」
タサーナ・サラパットでは、中谷の相手にならないだろう。どんな勝ち方をして、次につなげるか。3階級制覇中のWBCバンタム級チャンピオン、中谷潤人はさらなる高みに向かって加速中だ。
はたして、彼はどこまで昇り詰めるのか。
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