中谷潤人が充実のLAキャンプを終了 3階級王者になった今「さらに上を目指すため」に怠らない自己投資 (2ページ目)
「15の時以来のスパーリングでした。久しぶりでしたね。あの頃は、ガンガン打ち合いました。ボディを狙ったことを覚えています。今はやりやすい、崩しやすい選手です。彼の動きを観察しながら、それほど力を入れずにスピード重視の連打を心掛けました」
マンダパットと向き合ったWBCバンタム級チャンピオンは、フットワークで相手を捌き、カウンターの左ストレートをぶち込む。顎への右アッパーもヒットし、ショートの連打で動きを止めた。そうかと思うと、ノーガードにしてリング中央で静止し、マンダパットを誘った。
「向こうが出てくるところに、カウンターを合わせようと考えたんです。実は疲れていたので、ちょっと休もうと(笑)。でも、あまりこなかったですね。マンダパットにダメージを与えないように、軽めに手を出しました」
【より高みを目指すための自己投資】
中谷はワンツー、右ボディのダブルを放ってパートナーを圧倒した。最終の10ラウンド目は、力を込めずにパンチを出し続け、上下にフックを打ち分けた。
「『ここでしっかり手を出せば、今日はサンドバッグ打ちなしでいいよ』とルディに言われたので、最後のラウンドは休まずに攻めました。力は込めませんでしたが」
トレーナーのルディ・エルナンデスと中谷は、固い絆で結ばれている。15歳で、単身アメリカに乗り込んだ中谷を、ルディは自宅にホームステイさせた。その後、中谷は日本でプロデビューし、新人王、ユースタイトル、日本王座、WBOフライ級チャンピオン、同スーパーフライ級タイトル、WBCバンタム級王座奪取と、一歩一歩階段を上がってきた。今回も含め、試合の度にLAでキャンプを張るが、ルディはスーパーフライ級転向後の第1戦まで、中谷に部屋を用意した。
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