我闘雲舞は「プロレスに疲れた人に観に来てほしい」さくらえみが語る後楽園ホール大会と、対戦相手・駿河メイへの思い (4ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

――でもみなさん、さくらさんの影響を受けているのでは?

さくら:反面教師としても影響を受けているから、たぶんみんなは「さくらえみのようにはなりたくない」と思っているはずです。そうじゃない道を選んだ結果、成功している(笑)。私はあまり過去を大事にしないので、「新人ばっかり大事にして!」とよく言われますね。

――やはり新人は大事?

さくら:新人ということでもないですね。誰でも女子プロレスができるということで始めた「ダレジョ(誰でも女子プロレス)」が好きで、ずっと一緒にやらなくても、その日に会った人たちとの時間を大事にしたいんですよ。よく言えばですが。

 長州力さんの「足跡を消して歩いてる」という言葉がすごく好きなんです。私は長州さんのその生き方が大好き。長州さんが(スタン・)ハンセンさんと撮った写真をXにあげていて、「お互い顔に力強さがなくなりましたね。これでいんですよ」と書かれていたんですけど、本当に素晴らしいなと思って。その域までいきたいです。普通は、自分が残してきた過去の栄光に対して、そんなこと言えないですよね。

――言葉と言えば、さくらさん。言葉の魔術師だなと思います。

さくら:言葉の魔術師? 誰が? 私!?

――はい。私が初めてさくらさんの存在を知ったのは、飯伏幸太選手について「夢が人の形をしている」と表現した、という話を聞いた時なんです。

さくら:「さくらがこう言ってた」というのがひとり歩きして、勝手に広めてもらえたんですよ。だって具体的に出てくるのって、飯伏さんのことだけじゃないですか。それが、いっぱい言っているような雰囲気になっている。やっぱりイメージで得しています。

――いやいや、さくらさんの言葉は本当にすごいです。デビュー当時からですか?

さくら:発信する場は多かったですね。マイクアピールなんて、チャンピオンになって勝った時くらいしか回ってこないじゃないですか。でも、私は大会の前説をしていたので、毎回話す機会があった。今もYouTube配信をやっているので、たとえばそのなかで発した1万の言葉のうち、ひとつがフューチャーされている、という感じだと思います。よよよ!

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