我闘雲舞は「プロレスに疲れた人に観に来てほしい」さくらえみが語る後楽園ホール大会と、対戦相手・駿河メイへの思い (3ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

――メインイベントは、さくらえみvs 駿河メイ。師弟対決ですが、後楽園で闘うのはもちろん初めてですよね?

さくら:初めてだし、最後かなという気もしてるんです。闘わなきゃいけない相手が多すぎて、私とメイがやってる場合じゃない、というのもあるんですね。でも、今回はひとつの区切りとしてやるべきだとは思うので、これが最後だと思って全部出しきります。

――どういう試合を見せたいですか?

さくら:メイは「天才」と言われがちですけれど、彼女の一番大変なところは、身長148cmと体が小さいことだと思うんですよ。彼女は特別なんじゃなくて、地に足をつけてやっているんです。そのしんどさ、つらさが、この試合で全面に出ると思っています。私は体もデカいし強いので、メイの羽をもぐどころか、全部丸焼きにしちゃうくらいだから、苦しさが見えるはずです。

 もしかしたら、メイが味わう"最初の苦しさ"になるのかな。私はメイがデビューした時に「楽しいことだけでプロレス人生を完結させよう」と思って育ててきました。ただ今回は、苦しさを味わってもらう。そのあとは、また楽しくいけると思います。

――メイ選手は天才ではない?

さくら:天才ではないですね。そのへんにいるただの女の子です。ただ、「小さい、さくらえみ」とか、継承者とも言われるんですけど、全然違って、彼女は自由を作れる人なんです。ルールからはみ出たり、そこから新しいものを作ることが自由と言われがちですが、彼女には何もなくても自分らしく振舞える自由さがあると思います。

 ただ、メイもすごく悔しがってたんですけど、メイが活躍すればするほど、「駿河メイを育てたさくらえみはすごい」というのが永遠について回る。私はラッキーだし、「駿河メイさん、歯がゆうございますね」という感じです。

■我闘雲舞は"終着点で、沼"「プロレスに疲れた人に観に来てほしい」

――さくらさんはメイ選手以外にも、里歩選手、志田光選手、真琴選手など、素晴らしい選手をたくさん育てているイメージです。

さくら:それなんですよ! 実際に(私が)関わった期間は短くて、その後に彼女たちが出会った人や頑張った期間が素晴らしいことなのに、イメージだけが残るんです。今は全員が本当にプロレスの第一線で活躍してくれていて、「メンターはさくらえみ」みたいになっている。本当に私はラッキーですね。

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