井上尚弥のPFP1位は週明けにも終了? ウシク、クロフォードとの超ハイレベルなトップ争い (3ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

 ウシクは過去11戦中10戦を相手の敵地で勝ち抜き、クルーザー級、ヘビー級を制した"史上最高のロードウォリアー"。興行的な"Aサイド"が圧倒的に優位なボクシングの常識を覆すような存在である。PFPランキングでは昨夏、キャリア最高級の白星を挙げたクロフォード と井上に抜かれたものの、依然として3位の好位置につけている。

 世界ヘビー級の3冠を保持するウクライナの拳豪は、現地時間5月18日、サウジアラビアでWBC王者タイソン・フューリー(イギリス)との4団体統一戦に臨む。直前の予想では、サイズなどで上回るフューリーがやや優位という見方が多いようだ。とはいえ、サウスポースタンスからの確かな技量と勝負度胸で多くの難敵を下してきたウシクは、決して侮れない。

 ここでウシクがフューリーの壁をも破り、クルーザー級に続いてヘビー級でも史上初の4団体統一王者になったら......。それは、とてつもない偉業である。もちろん試合内容次第ではあるが、フューリー撃破後のウシクが歴史的英雄と再評価され、PFPでもあらためて1位に推される可能性は高そうだ。

【クロフォードもついに8月に試合】

 また、36歳になったクロフォードも沈黙を破り、8月3日に次戦が決定している。40戦全勝(31KO)の3階級王者は、復帰戦でさらに階級を上げ、WBA世界スーパーウェルター級王者イスライル・マドリモフ(ウズベキスタン)に挑戦。ここでも快勝して4階級制覇を果たしたとすれば、その勝ち星はPFP選考委員会でも話題になるに違いない。

 井上、クロフォード、ウシクの超ハイレベルの争いは続いていく。現在、"我が世の春"を謳歌する井上も、週明けにはPFPランキングで2位に、8月上旬には3位に落ちても不思議はない。

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