レースクイーンもグラビアも素行の悪さで仕事なし→上福ゆきが東京女子プロレスに入るまで【2023人気記事】 (5ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko
  • photo by 林ユバ

 ミスコンきっかけで芸能界入り。しかし、順風満帆とはいかなかった。まずはレースクイーンの仕事をしたが、「どの車が速くてもよくね?」と言ってクビに。グラビアを始めても"媚び"を売ることが苦手で、曰く"素行の悪さ"が原因で仕事が来なくなった。

 バーのアルバイトをしながら、相変わらずの港区女子生活。23歳の時、仲間の第一波結婚ラッシュがあり、「このままじゃマズい」と焦った上福は、マネージャーに相談する。マネージャーは3つの選択肢を出してきた。「不動産の仕事を紹介するよ」「エッチな番組に挑戦すれば?」、そして「高木三四郎っていう奴いるんだけど」だった。

「プロレスの知識がまったくなくて、『高木ってだれですか?』みたいな感じで話を聞く流れになったんです。そしたらもう、団体の人たちにガッツリ囲まれた(笑)」

 DDTの高木三四郎社長(現サイバーファイト代表取締役社長)と面談した時、「うちにはこんな綺麗な人がいるんです」と赤井沙希の写真を見せられた。スレンダー美人の赤井を見て、「こういう人がいるんだったら、プロレスラーになってもゴツくならずに済む」と思った。

 東京女子プロレスの練習生になってから、赤井はDDT所属であることを知り、「嘘をつかれた!」と思ったが、時すでに遅し。上福はプロレス界に足を踏み入れたのだった。

(後編:「自分は客寄せパンダでいい」 港区女子からリングで取り戻した自尊心と周囲への感謝>>)

【プロフィール】
●上福ゆき(かみふく・ゆき)

1993年2月20日、神奈川県横浜市生まれ、藤沢市育ち。東洋大学文学部英語コミュニケーション学科に在籍中、大学のミスコンで準ミスに輝き、芸能界入り。レースクイーン、グラビアアイドルを経て、2017年8月26日、東京女子プロレス後楽園ホール大会でプロレスデビュー(まなせゆうな&上福ゆきvs瑞希&のの子)。2020年11月7日、TOKYO DOME CITY HALL大会にて、空位となっていたインターナショナル・プリンセス王座の新王者決定トーナメントを制し、第5代王者となる。173cm、51kg。Twitter:@zacyuki

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