武蔵と武尊が明かすK-1の過酷な闘いの日々 「負けたら終わり」と考えていた理由 (4ページ目)

  • 松岡健治●取材・文 text by Matsuoka Kenji

武尊 試合のペースが速すぎて、自分のことができなかったんですね。

武蔵 だけど武尊くんは、自分を追い込んでチャンピオンになり、三階級制覇も成し遂げた。(2022年11月に)K-1をやめてから、去年の6月にはISKA(国際競技空手協会)世界王座も奪取したからすごいよ。なるべくしてなったという感じ。振り返ってみて、階級を上げる難しさはあった?

武尊 僕は減量より増量が難しいんです。最初のスーパーバンタム級(~50kg)から階級を上げた時に、「普段の体重を上げよう」と思っていたんですけど、今はその時より普段の体重が軽いんです。当時の普段の体重は67~68kgくらいでしたが、今は64.5kgですから。

 無理して体重を増やそうとして食べると、内臓が疲れるから体の疲れも抜けにくくなるし、疲労も溜まるし、すべてが不調になる。逆に減量は、最低限のものを食べて、練習で動けば動くほど体重が落ちるからいいんですよ。だから、僕は普段の体重をあまり増やさないようにしたんです。スーパーフェザー級(~60kg)に上げた頃は、ほぼナチュラルな体重で試合に出ていました。筋肉をつければつけるほどスタミナも消費するので、筋トレもしてません。

武蔵 階級によって、体重を調整する大変さもそれぞれだね。

(後編:ONE初参戦の武尊にK-1のレジェンド武蔵が送った「日本を背負う」気持ちよりも大切なこと>>)

【プロフィール】
■武蔵(むさし)

1972年10月17日生まれ、大阪府出身。1995年に「K-1 REVENGE II」でのK-1デビュー戦を2ラウンドKO勝ちで飾る。その後、K-1 JAPAN GPを4度制覇し、2003年、2004年にはK-1 WORLD GPにおいて、2年連続で準優勝を成し遂げるなど、強豪ひしめくヘビー級で活躍した。現役時代の戦績は85戦49勝(19KO)30敗5分1無効試合。2009年に引退後は、バラエティやYouTubeなど幅広く活躍している。

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■武尊(たける)

1991年7月29日生まれ、鳥取県出身。2011年9月24日、「Krush.12」でプロデビュー。2015年4月に初代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント、2016年11月に初代K-1フェザー級王座決定トーナメントを制して2階級制覇を達成。2018年3月の「K'FESTA.1」では第4代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントで優勝し、前人未到・K-1史上初の3階級制覇を成し遂げる。2022年6月に中立のリングで那須川天心と対戦。その後、ONEチャンピオンシップと契約を結び、2024年1月28日にONEデビュー戦を迎える。戦績は43戦41勝(25KO)2敗。

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