【武蔵×武尊】K-1ヘビー級で戦っていた憧れの武蔵を見て、武尊が磨いた必殺技とは?

  • 松岡健治●取材・文 text by Matsuoka Kenji

武蔵×武尊 スペシャル対談 前編

 元K-1三階級制覇王者の武尊と、1990年から2000年代のK-1で活躍した日本随一のヘビー級戦士・武蔵による初対談が実現した。ふたりは、運営体制は異なるも、年代を越えて立ち技系格闘技大会K-1で世界の強豪と闘ってきた。共に空手の「正道会館」出身で先輩・後輩となるが、意外にも今回が初対面だという。

 1月28日に有明アリーナでのONEチャンピオンシップの「ONE165」で、ONEフライ級世界王者のスーパーレック・キアトモー9(タイ)に挑む武尊が、"レジェンド"武蔵と思いの丈を語り合った対談を3回に分けて掲載。前編は、お互いのバックボーンである空手と、キックボクシングに挑戦した時に苦労したことを語った。

初対談を行なった武蔵(左)と武尊 photo by 村上庄吾初対談を行なった武蔵(左)と武尊 photo by 村上庄吾この記事に関連する写真を見る

【武蔵から見た武尊は「本物」のファイター】

――おふたりが初対面なのは意外でした。まずは武蔵さんの、武尊選手の印象を聞かせてください。

武蔵 世の中にファイターは星の数ほどいますけど、「本物」と言える選手は少ない。その中で武尊くんは「本物だなぁ」と試合を見させてもらっていました。ファイターにとって勝敗はもちろんですが、それ以上に、応援している人たちを試合で魅了することが大切。リングでは"生き様"が見えますから。

 ただ、今の格闘技界には、強さを追求する前に口ゲンカが強い選手が多くて、「本物」と思えるヤツが本当に少ない。その点、武尊くんはリング外の発言やパフォーマンスでアピールしなくても、試合を見たくなる選手。試合だけでファンを魅了する覚悟が感じられますし、「プロだ」とも思いますね。

武尊 ありがとうございます。僕も武蔵さんにずっとお会いしたくて、いろいろお話したかったので今回は光栄ですし、そのように見ていただけているのはすごく嬉しいです。

 僕がK-1を見始めたのが、小学1年生くらい(1998年頃)からなんですけど、ちょうど武蔵さんが活躍されていた時代でした。ピーター・アーツさん、アンディ・フグさん、アーネスト・ホーストさん、マイク・ベルナルドさん......デカくて、とてつもなく強い外国人選手が席巻するリングで、日本人の武蔵さんが"世界と闘っている"姿がすごくカッコよかった。

 あと、リングネームに武士の「武」が入っていて、僕の名前と一緒だったこともあって憧れていました。

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