DDTユニット・サウナカミーナの発起人がいきなり敵に 亀裂の決定打になった「松葉杖蹴飛ばし事件」 (3ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko

勝俣:他のユニットより絆があるのは、やっぱり裸の付き合いをしているから。

MAO:裸の付き合い、あるよねえ。

勝俣:現在DDTにある他のユニットは、たぶん裸の付き合いなんてしてないけど、僕たちは生まれたままの姿を見せ合っている。そういうところから距離は縮まるんです。初めて会った人でも、サウナに入ると仲良くなれますし。

上野:一緒にサウナに行って、そのあとにご飯を食べたりお酒を飲んだりしていると、リズム感がどんどん合ってくる。試合でも「今これをしたいんだな」というのを感じ取りやすくなるんですよね。わかりますもんね、呼吸の吸い方で。

MAO:サウナに入るとニュータイプになるかもしれないですね。

勝俣:どういうこと?

MAO:わかりあえるんです。......『機動戦士ガンダム』の話です(笑)。

【発起人・竹下のまさかの行動に「ああ、もう敵なんだな」】

――昨年7月23日の両国国技館大会後に、サウナカミーナのメンバーだった竹下幸之介選手が、ヒールユニット「DAMNATION T.A」の佐々木大輔選手と共闘。その後、ふたりは上野選手に共闘を持ちかけました。上野選手は迷っているようにも見えましたが、他のメンバーはどう感じていましたか?

勝俣:僕は欠場していたので、口を出せなかった部分もあったんですけど。竹下が佐々木と共闘した時はすごく寂しかったし、「そっちに行かないでほしい」と心の底から思いました。上野さんは「たぶん大丈夫だ」と思っていたけど、僕はリングで闘うことも表現することもできなかったので、悔しい思いはありましたね。

――その一週間後、7月30日の後楽園ホール大会では、勝俣選手が松葉杖でリングに上がる場面もありました。

MAO:そこで佐々木が瞬馬の杖を蹴飛ばして、竹下さんがただただ傍観してたのが僕は悲しかったです。佐々木と共闘するのもわかるんだけど、一歩間違えたら瞬馬の欠場がもっと延びるかもしれないようなことされて、「なんで助けないんですか?」って。友だちなのに。

 あの瞬間に、「ああ、もう敵なんだな、この人は」って思ったかな。それはメインイベントの後だったけど、僕たちは明るく大会を締めたいんです。お客さんに楽しく帰ってほしい。でも、その大会はバッドエンドというか、暗く締まってしまったことは僕の中で後悔として残ってます。

勝俣:僕はキャリアの半分くらい、竹下とプロレスをしてきたんです。ALL OUTから始まり、プライベートでも一緒で、サウナを教えてくれて僕の人生を変えてくれた人が、サウナカミーナを離れようとしたのが本当に悲しかった。

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