「プロレス1本に絞れ」...東京女子プロレスの「無冠の女王」角田奈穂が語る、アンチが湧いてもリングに上がり続ける理由 (2ページ目)
【大きな影響を与えた同期の存在「サオリは本当にかっこいい女です」】
一度だけ、本気でプロレスをやめようとしたことがある。止めてくれたのは安納サオリだった。
「当時の私は外の団体に出ることより、舞台の仕事とプロレスを並行してやっていきたいと強く望んでいました。代表とも話し合っていたのですが、そこへ急にサオリが現れて『やめるのはいつだってできる』『今の環境を踏み台にする気持ちでやってみたらいい』と言ってくれたんです。だからもっと思い詰めずにやってみようって。サオリがいなければ、今はプロレスをやってないです。本当にかっこいい女ですよ」
2018年4月、本間多恵とのタッグチーム名を『以下省略。』と発表し、本格始動。安納サオリ、万喜なつみ(現なつぽい)というツートップが退団し、残った一期生で団体を盛り上げなければいけないと頑張った。しかし2019年1月、左膝の前十字靭帯断裂という大きなケガを負ってしまう。
兼ねてより「手術しなければいけないくらい大きいケガをしたら、引退します」と言ってきた。しかし医者に手術を言い渡された時、「やめる決心がつかないわ」と思った。プロレスがなくて、どうやって生きていったらいいかわからなかった。ケガをして、あらためて「自分はプロレスが大好きなんだ」と気づいた。
プロレスラーになってからの苦悩や喜び、今後について語った角田 photo by 林ユバこの記事に関連する写真を見る 10カ月の欠場を経て、2019年11月6日に後楽園ホール大会にて復帰。それまで使っていたダブルニードロップを封じ、ドロップキックも背面にするなどファイトスタイルも切り替えた。
2020年、新型コロナウィルスが蔓延してから、ひとりになる時間が増えた。今後の自分がどうしたいか、どうなりたいかを考えた時に、東京女子プロレスに行くことを選んだ。
「東京女子の選手ってみんなコスチュームがオシャレで、かわいくてキラキラしてる。個性が豊かだし、ここでならプロレスが好きだという気持ちを大切にしながら、継続していけるんじゃないかと思いました」
2020年11月7日、東京女子プロレス・TOKYO DOME CITY HALL大会に来場し、リング上で挨拶。11月14日の新木場1stRING大会より、レギュラー参戦することが発表された。
2 / 4