天野麻菜が明かすリングガールの苦労と知られざる役割。「雪平莉左のほうが売れたね」の声にも「鋼のメンタル」で前向き (2ページ目)
【2回目の出番でいきなり井上vsパヤノ】
ボクシングの競技の魅力に加えて、インターバルの1分間に登場するリングガールを目の当たりにし、ラウンド数を知らせる以上の存在であるとわかったそうだ。
「あんなに激しく闘い、汗や血が飛び散ったリングへ、それも鬼気迫る選手たちとは真逆の穏やかな表情で上がっていくリングガールたち。たった1分間で会場の空気が変わっていくのを肌で感じました。そんな大役を担うリングガールの姿にすごみを感じ、よし、ボクシングを一から勉強しよう、私もやってみよう、と決意しました」
初めて後楽園のリングに立ってから、2回目の仕事が井上vsファン・カルロス・パヤノのビッグマッチだった。以降も隔月でリングガールを続け、2021年からは月に一度のペースに。4年余りで通算50大会近くを経験してきた。リングガールのポーズこの記事に関連する写真を見る 時には「リングガール不要論」という声を耳にするが......。天野さんは、リングガールの意義をどのように考えているのだろう。
「どのタイミングで終わってしまうかわからない競技だからこそ、会場や中継で観戦している方々は、息つく間もないほど集中しています。インターバルで私たちが出ていくことで、少しでもリラックスしてもらえたら。
あのストレートが効いていたなとか、ボディのダメージがそろそろたまってきたかもなとか、試合の状況を整理しながら頭のなかをクールダウンして、また次のラウンドを楽しんでもらいたいです。
選手にとっても、私がリングを歩くことで、観客のみなさんの視線が分散される。貴重な1分間を有意義に使ってもらい、次のラウンドもベストを尽くせますようにと願っています。
試合中はインターバルに向けて、ラウンド終了の30秒前から、そろそろだと心の準備をし、20秒前に身なりを整え、10秒前にリング下にスタンバイ。どんなに白熱した闘いでものめり込みすぎることなく、すぐに気持ちが切り替えられるように準備をしています」
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