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「死ぬんじゃないか」と心配されたジャイアント馬場がハンセン相手に躍動。実況アナも「やれ! 馬場」と叫んだ (4ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by 木村盛綱/アフロ

 あれから40年。倉持はこの一戦を「今も記憶に残る名勝負です」と声を弾ませた。

「馬場さんがあんなに動くなんて信じられませんでした。原さんがおっしゃっていた、かつての『すごいジャイアント馬場』を見事に復活させました。さらに申し上げれば、馬場さんがハンセンを受け止める懐の深さをあらためて感じました。馬場さんの受け身がうまかったんです。"役どころ"を知っていました」

 当時、放送は関東地区で土曜夕方5時半からだったが、視聴率は18.4パーセント(関東地区。ビデオリサーチ社調べ)と高い数字を記録した。テレビ的にも、馬場はハンセンとの戦いでレスラーとしての存在感を取り戻したのだ。

 1990年3月に番組を離れ、その後、日本テレビを定年して約20年が経った今、倉持はプロレスと自らの実況人生をこう振り返る。

「プロレスはまさに男のロマン。男たちがリング上で人生をかけた真剣勝負でした。そんなレスラーたちの生きざまを実況することができて私は最高に幸せでした」

■敬称略

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