BreakingDownを見た格闘技のプロは「危機感を持たないとヤバい」。素人が生み出す魅力とリスク、今後の展開にも言及した (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • photo by BreakingDown

――過去の成功事例も参考に、さまざまな手でアピールする流れができていますね。

「そう考えると、リアルな格闘技の世界も選手同士がやりあう空気感を演出するとか、"魅せる"ことをもっとやっていく必要があるのかもしれない。『BreakingDown』を下に見て『僕らはいい試合を見せる。違うものを作る』とあぐらをかいていると、見る側がまったく求めていないモノができちゃうかもしれない。プロの格闘技に関わっている人たちやファンも、『BreakingDown』がなぜコンテンツとしてウケているかは理解しておく必要があると思いますね」

――短い尺の動画が好まれる時代の傾向にもマッチしている?

「『BreakingDown』は、令和版『THE OUTSIDER』(前田日明がプロデュースするアマチュア総合格闘技大会)というか、いいところを抽出して、SNS時代にうまくマッチングさせていますね。

 あと、『RIZIN』がYouTubeで試合を配信しなくなって、PPVでしか見られなくなったことも大きいと思います。YouTubeで格闘技を楽しんでいたライト層が一気に『BreakingDown』に流れている感じはします。既存の格闘技も、今までと同じように試合だけで見せる感じだと、新規のファンは掴みづらいと思います」

――プロの格闘技界も危機感を感じないといけない?

「危機感を持たないとヤバいですよ。結局はUFCだって、ネイト・ディアスやコナー・マクレガーのようなバチバチにケンカする選手が人気。そこは世界共通なわけで、そこを避けていくのは"逃げ"とも取れると思います。柔軟に対応できないと沈んでいく可能性もあるでしょうね」

 日本発の「BreakingDown」という黒船は、海を渡って世界へと向かう。その航海の行方にも注目だ。

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◆大沢ケンジさんが代表を務めるジム
『和術慧舟會HEARTS(新宿)』『HEARTS KIX(新宿)』『HEARTS KIX(駒沢)』

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