プロ11戦無敗から35秒TKO負け。渡辺華奈が語る、アメリカで頂点を獲るために今やるべきこと (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 撮影●田中亘 photo by Tanaka Wataru

【「意味のある負け」に】

ウォーミングアップ中に笑顔ウォーミングアップ中に笑顔この記事に関連する写真を見る――対戦前、カモーシェ選手にはどんなイメージがありましたか?

「相手の試合映像を何回も見て、最初からガンガンくるタイプではなく、"見てくる"タイプだなと思っていました。でも実際は、試合開始直後からガンと出られて、うまく向こうの作戦にハマってしまった。思い込みがあったというか、準備が甘かったです」

――パンチの連打をもらった場面ですが、渡辺選手はいつものように組みにいくのではなく、打ち合ったところがありました。それは以前よりも打撃に自信をつけた、ということもありますか?

「はい、打撃でも対抗しようと思ってたんですけど......まだまだでしたね」

――12戦目で初黒星。ただ、以前から「全勝にはこだわっていない」と発言していましたよね。

「はい、それは昔から同じです。負けた経験から新しく取り組めることもあるので。もちろん負けること自体はすごく嫌なので、本来は言いたくないのですが、絶対に『意味のある負け』にしないといけないですね」

――アメリカでのBellator、会場やお客さんの雰囲気はいかがでしたか?

「1試合目は無観客、2試合目は観客数が制限されていたので、お客さんは少なめでした。それにコンタクトを外していたので、観客席が全然見えなくてどんな雰囲気なのかもわからず(笑)。私は視力が両目とも0.05くらいで、歩く時に前も見えない感じでした」

――その視力だと、相手の動きや打撃が見えないんじゃないですか?

「それまではコンタクトをつけて出られていたんですが、直前で外すように言われてしまいました。カモーシェ選手のパンチは、たぶんコンタクトをしていてもかわせないくらい鋭かったですけどね。視界がボヤ~っとして、相手の顔もよく見えず集中しにくかったというのはあります。だから今は、自分に合った視力の矯正方法もいろいろ探っているところです」

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