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柔道家・朝比奈沙羅が語る「ハードな医学部生活」と「ピョンピョン宙を飛ぶ練習」 (2ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • photo by エンリコ/アフロスポーツ

――とはいえ、医学部といえば、授業がハードなイメージがあります。特に朝比奈選手は柔道を続けながら、ということもあって、大変な生活を送っているのでは?

「医学部は、入るのも大変でしたが、入ってからも大変でした(笑)。特に1年目は慣れないことも多く、自分のペースをつかめなくて、本当にハードでしたね」

――2年生になった今年は、少し慣れてきましたか?

「そうですね。ただ、2年生になってからペースをつかめた反面、学ぶ内容が重たくなって、勉強時間をかなり要するようになってきています。結局、入ったから卒業できるわけじゃなくて、入ってからも努力し続けないと留年してしまう。今も、本当に留年しないかどうかヒヤヒヤしながらすごしてます(笑)」

――医学部では解剖の実習もあるかと思いますが、そのあたりは大丈夫ですか?

「大丈夫です。たぶん、女性のほうが解剖とかに対して強いんだと思います。授業で手術風景を動画で見ることがあるんですが、男性の中には倒れる人もいましたから」

――大変忙しいとは思いますが、語り口から察するに、充実した生活を送っている印象を受けます。

「そうですね。1年生の頃はいっぱいいっぱいで、柔道の結果も出せなかった。それが2年目になって、やっと充実感を得られるようになりました。去年はコロナの影響で新歓(新入生歓迎活動)がなかったんですが、今年から徐々に始まって、今の1、2年生を対象に部活の勧誘が行なわれました。ちなみに私は、ラグビー部と軽音部に入部しました!」

――ラグビー部と軽音部にですか!?

「ラグビーはもともと好きだったのもあって、部の雰囲気や部員たちの人柄もすごく良かったので、すぐに決めちゃいました。ただ、ケガのリスクがあるので、現在はマネージャーとして受け入れてもらっています。軽音部に入ったのは、ドラムをやってみたくて(笑)」

――さすがのバイタリティですね(笑)。ただ日本では、学業とスポーツ、さらには朝比奈選手のように部活動と、マルチで頑張る人が、「二兎を追うものは一兎をも得ず」みたいな目で見られることがあります。朝比奈選手自身、そういった視線を感じたことはありましたか?

「ありますね。そんなふうに言ってくる人たちに、私は『静かにして!』って思うんですが(笑)、やっぱりそう思われないためには、自分自身が結果を出さないといけない。柔道も、勉強もいい成績を残す必要があるんです。

 だから、そういうことを言われたときは『そうですね』って聞き流しながら、それこそ父との衝突で私が医師になる決意を固めたように(前編)、『絶対見返すから!』って気持ちで頑張ってきました。私って反骨精神だけで生きているんですよ」

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