「全員に好かれるのはあきらめた」。コンプレックスを武器にグラレスラー白川未奈の決意 (5ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko

 筆者と女性編集者の連載を2時間半、眺めていたという白川。その間、どんなことを考えていたのだろうか。

「おふたりは同性で、同世代で、お仕事をされている。社会に生きる女性として勝手に共感してしまったんです。私はもともとプロレスファンだから、プロレスの見方に対して共感する部分もすごくありました。『PTAが発動した』という表現、めっちゃ好きです!」

 白川の心の中にも、PTAが......?

「いないですね。私はグラドル出身なので、他団体の"THE・女子プロレスラー"といった方には、『チャラチャラしてる』とか、『プロレスできんの、あの子?』って絶対思われていると思います。それを変えるためには、激しい試合とか、心のこもった試合を人一倍しないといけない。試合でわかってもらえればいいやという気持ちです」

"女の幸せ"については思うことがあるという。グラビアの撮影スタッフは、ほとんどが男性。30歳になる前、『もうすぐ30でしょ? グラビア続けるの?』『結婚しなくて大丈夫?』といったセクハラ発言をする人があとを絶たなかった。年齢で線引きされることが心底嫌だったという。

「私がプロレス界で活躍することで、世の中のそういう意識をちょっとでも変えるお手伝いができたらなとはすごく思っています。女性だけでなく、男性に対しても思ってますね。以前、『女性は区切られちゃうんだよな』とツイートしたら、男性の方から『男もそうなんだよ』『つらい思いをしたことある』といった反響がありました。

 プロレスファンの中にも年齢をバカにする人がいるけど、じゃあこの私がどんどんベルトを取っていく姿を見たらどう思いますか?っていうのを考えたら、その人たちを黙らせることができるんじゃないかと思ったり。それも楽しみだったりします」

(後編につづく>>)

【プロフィール】
■白川未奈(しらかわ・みな)
1987年12月26日、東京都生まれ。156cm、54kg。大学を卒業後にブライダル会社に就職するも、25歳でグラビアアイドルデビュー。2015年10月、「プロレスTIME」公認『プ女子普及委員会』委員長に就任。2018年8月、ベストボディ・ジャパンプロレス旗揚げ戦にてプロレスデビュー。同年11月より東京女子プロレスに参戦し、2020年10月にスターダムレギュラー参戦を表明。中野たむ、ウナギ・サヤカと結成したユニット「コズミック・エンジェルズ」が同年12月、アーティスト・オブ・スターダム王座を戴冠した。Twitter:@MinaShirakawa

【大会情報】
★白川未奈選手も登場! スターダム春のビッグマッチ
『U-REALM Presents YOKOHAMA DREAM CINDERELLA 2021 in Spring』
日程:2021年4月4日(日) 会場:神奈川・横浜武道館
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