武藤&秋山、同時入団発表。高木三四郎がその裏側と今後の野望を激白 (2ページ目)

  • 井木 康文 ●取材・文 text by Iki Yasufumi
  • photo by CyberFight

ーーそんなメジャー団体であるNOAHの経営者になって感じる違いはありますか。

「そもそもなのですが、リングサイズが違ったんです(笑)。DDTNOAHでの共同の道場兼試合会場のような施設も構想していたのですが、サイズが違うので無理でした...DDTは6mNOAH6.2mで、6mが世界的な水準であるため、NOAHが少し大きいんです。大きくなった詳しい経緯はわかりません。また、リングのロープの張り方も少し違うため、リングの統合は意外と難しいという気づきがありました。

 また、武田有弘前社長(現サイバーファイト取締役)を見習うことも多いです。例えば、オフィスに目標が掲げられたりしているのですが、しっかりとした企業だなと思うことが多いです。DDTはそういうものはなかったです」

ーーでは経営面ではなく、NOAHと接近したことによるDDTの選手や雰囲気に変化はありましたか?

「選手の中に競争意識が芽生えていると思います。DDTといえばエンターテイメントのイメージが強いと思いますが、シリアスなプロレスもしっかりと展開しており、そのイメージも強くしたいという意識です。2000年代には、飯伏幸太やケニー・オメガのようにどちらも出来る代表的な選手がいましたし、私や男色ディーノも負けないものを持っていると自信があります。そこで、元全日本プロレスの秋山準選手に入団して頂き、DDT"本道のプロレス"を注入して頂き、強化しています。

 現在、NOAHは日本武道館をはじめとする大会場でのビックマッチを増やしている"攻め"のフェーズである一方で、DDTはシリアスなプロレスをコツコツ磨く"守り"のフェーズです。良さを消し合うのではなく、それぞれに伸ばせる部分を高め合っている関係だと思います」

ーー名前が上がりましたが秋山準選手のDDT入団、NOAHへの武藤敬司選手の入団を同時に行なうというサプライズはいつくらいから用意していたのでしょうか。

「色々な方から入念に仕掛けたことだと思われるのですが、どちらも本当に偶然の産物なんです()。秋山準選手は、『1~10までプロレスの技術を全て俺が教えたらどんなプロレスラーになるのかな...』というツイートが偶然目に止まり、ツイッターのDMを送らせて頂いたことがきっかけでした。DDTで選手を育てて頂けたらと思い送りました。それをきかっけにまずはゲストコーチに就任して頂き、全日本プロレスさんともお話をして、レンタル移籍を経て正式入団をして頂く運びになりました。

 武藤敬司選手は、WRESTLE-1が活動休止(2020年4月)になってからNOAHのリングに定期参戦されていました。そこで昨年末あたりから、正式入団して頂けないかと考えるようになりました。せっかくプロレス業界を代表する2名が入団するのならば、同時発表が出来れば大きな話題を作れると考え始めたのは、年が明けてからです。そんな偶然とタイミングが重なったおかげで、多くの方に反響を頂くサプライズな発表を行なうことができました」

秋山準選手(写真左)、武藤敬司選手(同右)が電撃同時入団秋山準選手(写真左)、武藤敬司選手(同右)が電撃同時入団

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