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「東京で金メダルが獲れる」文田健一郎。
先輩の銀獲得が嬉しくも悔しかった (6ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO


 五分と五分。どちらが東京オリンピックのマットに立つか。予断を許さない争いが続くなか、オリンピック代表レースがスタートした。

 2018年12月の全日本選手権と2019年6月の全日本選抜選手権、文田と太田は両大会とも決勝戦で激突する。結果は、文田がどちらの接戦もモノにして2連勝。オリンピック予選を兼ねた世界選手権(カザフスタン・ヌルスタン)出場を決め、軍配は文田に上がった。

 世界選手権に初出場した2年前とは違い、文田は各国から徹底的にマークされた。外国人選手は文田の反り投げを封じ込めるため、間を詰めず、胸を合わせない極端な前傾姿勢で構える作戦。それでも、研究されることを覚悟し、グラウンド技に磨きをかけてきた文田は動じなかった。

 文田はローリングをはじめ、多彩な技で世界を相手に勝負を試みた。グレコローマンスタイル強化委員長でもある松本慎吾・日体大監督も「全試合、本当にスゴイ内容だった。東京でも必ず金メダルが獲れる」と手放しで絶賛するほど。文田は圧巻の内容で、2度目の世界チャンピオンに輝いた。

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