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「東京で金メダルが獲れる」文田健一郎。
先輩の銀獲得が嬉しくも悔しかった (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO


 そんな泥沼な時期を脱し、勢いよくリオデジャネイロオリンピックへと突き進んでいったのが、当時まだ日本体育大学の4年生だった太田忍(ALSOK)である。

 2014年の全日本選手権、そして2015年の全日本選抜選手権と、太田はいずれも2位で優勝に一歩手が届かなかった。だが、日本グレコローマンスタイルが惨敗に終わった世界選手権から3カ月後、59キロ級の太田は全日本選手権で初優勝を遂げ、オリンピック・アジア予選の出場機会を得る。

 すると太田は、1回戦でロンドンオリンピック金メダリストのハミド・スーリヤン(イラン)を撃破。その後も勝利を重ねてオリンピック出場権を自らの手で獲得し、リオデジャネイロオリンピック日本代表に内定した。

 太田の目覚ましい進化、著しい成長ぶりを、誰よりも間近で見てきた男がいる。それが、東京オリンピックで金メダル候補ナンバー1と評されている文田健一郎(ミキハウス)だ。

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