ドリームマッチの真実。王者・田中恒成は
なぜ田口良一を指名したのか (4ページ目)
―― 最後に、どちらが勝ちますか?
田中 俺が勝ちます。勝つだけじゃない、内容でも圧倒したいです。1年半前なら、どんな形でも勝てば100点だと思っていましたが、今は倒して勝ちたいという思いが芽生えています。
田口 負けるつもりはないし、勝ちにいきます。前回の試合は応援してくれた人をガッカリさせてしまったので、今回は東京から会場の岐阜まで足を運んでくださる方に、勝って喜んでほしいので。
◆ ◆ ◆
田中恒成と田口良一の「宿命の一戦」。ボクシングファンは、その実現を待ち望んだことだろう。
しかし、試合開始のゴングが鳴れば、1時間後には田中恒成と田口良一、どちらかひとりだけが、その腰にチャンピオンベルトを巻いている。
もちろん、どちらかひとりは敗者だ。正直に胸のうちを告白するなら、日本人ビッグネームの対戦を心待ちにしながら、同時にどこかでもったいないという思いも拭いきれない。そう伝えると、減量中で苦しいはずの田口は、清々しいほどの笑顔で答えた。
「だから、ボクシングは魅力があるんです」
田中も飄々(ひょうひょう)と言った。
「だから、僕にとってボクシングは、刺激的なものなんです」
WBO世界フライ級チャンピオン田中恒成vs元WBA&IBF世界ライトフライ級統一チャンピオン田口良一。運命に引き寄せられたふたり、宿命のゴングが3月16日16時に鳴る――。
【profile】
田中恒成(たなか・こうせい)
1995年6月15日生まれ、岐阜県出身。畑中ジム所属。2013年11月プロデビュー。プロ戦績:12戦12勝(7KO)。右ボクサーファイター。身長164cm、リーチ162cm。
田口良一(たぐち・りょういち)
1986年12月1日生まれ、東京都出身。ワタナベジム所属。2006年7月プロデビュー。プロ戦績:32戦27勝(12KO)3敗2引き分け。右ボクサーファイター。身長167cm、リーチ172cm。
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