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伊調馨がALSOK広報部に異動したので、
さっそく名刺交換してきた (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 ランチは自分でおにぎりをつくってきたり、部署の仲間と赤坂の街へ出かけたりしている。「会社の方々にはいつも熱心に応援していただいてきましたが、食事を一緒にしたりする機会がなかったので楽しんでいます」

 苦手なことは、通勤ラッシュ。

「今は(乗車)時間を少しずつずらしながら、どの電車が空いているか調べています」

 5~6月ごろに新人研修も受ける予定があり、それも楽しみ。やってみたい仕事は、「柔道部やウエイトリフティング部、陸上部に代表クラスの選手が大勢いるので、試合会場で広報として対応したり、取材現場の立ち合い」。新人広報部員は意欲満々だ。

「レスリングを極めんとする孤高の求道者」と言われながらも、以前から伊調は、「選手でなくても、コーチとなってレスリングを追求するというのもいいかな」と言ってきた。目指すのは、「選手と一緒にレスリングをつくっていけるコーチ」。そのためには、「コーチングとは何か?」を根本から学ばなければならない。

 リオデジャネイロオリンピック後は、全国各地のレスリング教室を積極的に巡り、子どもたちを中心にレスリングを指導。昨年5月には日本スポーツ振興センターの女性アスリート戦略的強化・支援プログラムに自ら手をあげて参加し、カナダで開かれたコーチングスクールで5日間、講習や実技のプログラムを受けてきた。

「プロのコーチなどもいて、レベルは高かったですけど、勉強になりました。レスリング以外の競技の方たちと交流できたのも収穫です」

 さらに、宗教上の理由から女子レスリングがようやくスタートしたイラン協会からの要請を受け、9月には現地で9日間にわたって指導してきた。

「選手への指導だと思っていたら、相手は指導者候補。戸惑いました。総勢68名を3組に分けて、3日ずつ毎日2回練習。最後は、それぞれの身体的能力や本気度などをもとに採点もしました。

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