【国際プロレス伝】白パンツが似合う寺西勇は、元力士のテクニシャン (4ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Nikkan sports/AFLO

「たしか2016年11月に亡くなられた永源遥(えいげん・はるか)さんも同じ立浪部屋で、寺西さんと一緒に東京プロレスに入門されたんですよね。大相撲出身ですから、身体は頑丈だし、パワーもすごかったですけど、ラッシャー木村さんとは違っていました。

 身長は僕と同じ175cmと小柄でしたから、動きが速く、テクニシャン。『和製エドワード・カーペンティア』と呼ばれていましたね。カーペンティアというのはフランス出身のレスラーで、サマーソルト・キックやサマーソルト・ドロップを生み出し、当時世界最高の技の持ち主でした。『元祖アクロバット・プロレス』なんて言われていたレスラーです。

 寺西勇というレスラーもまさに"技の宝庫"で、とにかくキレがいい。憧れましたけど、僕が一番衝撃的だったのは受け身のうまさです。きれいでしたね。とてもじゃないけど、僕にはマネできない。デカい外国人レスラーに放り投げられても、フワ~ッと跳んで、ストンと落ちて立つ。受け身がうまいから、返し技や合わせ技がすばらしいんですよ。ショルダースルーなど食らっても、サッと立ってすぐに攻撃に転じていましたから。

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