吉田沙保里のガチンコ合宿メニューに、女子柔道ホープもヘトヘト? (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文・撮影 text & photo by Miyazaki Toshiya

 柔道界からは、ハンガリー・ブタペストで行なわれる今夏の世界選手権に出場する代表選手を中心に、2020年東京オリンピックでの活躍が期待される若手も参加。トップ選手たちは慣れないレスリング式のトレーニングに戸惑いながらも、最後まで必死に食らいついていった。初日の練習メニューで脱落する柔道選手はなかったが、リオ五輪48kg級銅メダリストの近藤亜美(三井住友海上)や「東京オリンピック期待の星」といわれる阿部詩(あべ・うた/夙川学院高)は口を揃えて、「明日、身体中が筋肉痛で起きられないかも」と疲労困憊(こんぱい)の様子。

 それでも、柔道選手たちは大きな収穫も得たようだ。初日からヘトヘトになっていた近藤は、練習後にこう語っていた。

「『体幹を鍛えること』と『受けを強くすること』が自身の課題なんですが、レスリング選手の体幹の強さには驚きました。イメージとしては外国人選手と戦っているよう。それと、あの綱上りを何度も平気でやっているだけあって、腕の強さもスゴイですね。

 補強トレーニングは得意なので問題ありませんでしたが、延々と続いたスパーリングには参りました。3分2ピリオドで、ピリオドの間は30秒しかない。そのうえ、スパーリングが終わってすぐ休む間もなく打ち込みして、懸垂もやって、またスパーリングの連続でしたからね。道着なしのレスリングでは引き手で崩せても釣り手ができないので、どう相手をいなすかを残りの合宿で考え、柔道に生かしたいと思います」

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