2015.11.06

【ボクシング】ライト級・坂本博之が語る「減量時の過酷な食事」

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  是枝右恭●撮影 photo by Koreeda Ukyo

特集 スポーツの秋、食の秋(3)

元東洋太平洋ライト級チャンピオン・坂本博之インタビュー(前編)

 現役時代、ボクシング・ライト級の坂本博之は減量に苦しみながらも、一度リングに上がれば前進を止めなかった。その左フックは、比喩でなく対戦相手の骨を砕き、「平成のKOキング」の異名を誇った。畑山隆則との壮絶な一戦(2000年10月)を記憶しているファンも多いだろう。その坂本が食事について、減量について、そしてその豪拳で掴んだものについて語った――。

減量中の食事について熱く語る坂本博之 現役時代を懐かしむように、坂本博之は計量直後の瞬間を語り始めた。

「まずは、水です。最初に口にしたいのは、肉でも、米でもない。だって想像してください。サウナに1時間入った後、いきなり焼き肉は食べたくないでしょ? だから、まずは水。のどから、胃へ、そして全身へ......。おおげさじゃなく、本当に乾いたスポンジに水が染み込むように、体中に水分が行き渡るのを感じるんです」

 ただ、のどは潤っても、すぐにメインディッシュを頬張ることはできない。

「胃が小さくなっていて、いきなり硬いものは受け付けないんです。だから僕は、最初にお粥を食べてました。身体がしょっぱいものも欲しているんで、梅干しを乗せて。梅干しを混ぜたお粥を、ゆっくり、ゆっくり、流し込んでいく......。その後、大好きなハンバーグを食べるんです」

 後楽園ホールのそばにあるファミリーレストラン『デニーズ』。そのハンバーグが坂本の好物だった。