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金メダル計6個。お家芸「柔道」は復活したと言えるのか? (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi  photo by AFLO

 その翌日の男子66kg級は、大会4連覇を狙う海老沼匡(パーク24)と、成長著しい22歳の高市賢悟(東海大)で金メダルを狙った階級だった。だが、高市は1回戦でスゴイ・ウリアルテ(スペイン)に一本負け。そして海老沼も3回戦でリショド・ソビロフ(ウズベキスタン)にまさかの一本負けを喫してしまい、チーム全体に嫌な空気が広がりつつあった。

 しかしその危機を救ったのが、女子52kg級に出場した中村の優勝だった。また、その翌日に行なわれた男子73kg級も2010年以来4大会連続で日本が制している階級ということもあり、2011年&2014年王者の中矢力(ALSOK)と、2013年王者の大野将平(旭化成)がともに決勝へと進出。日本人対決は大野に軍配が上がったが、金メダルの連続奪取でチームの悪い流れを完全に断ち切ることができた。

 ここで良い流れに傾いたことが、男子81kg級(永瀬貴規)や男子100kg級(羽賀龍之介)、そして女子78kg級・梅木真美(環太平洋大)の金メダル獲得につながったと言っていいだろう。悪くなりそうな流れをしっかり止めた女子52kg級の中村や、男子73kg級の大野と中矢の力は本物だといえる。

 ただ、これで来年のリオ五輪も万全かといえば、まだ楽観視するわけにはいかない。五輪直前の世界選手権は来年に向けて勢いをつける場ではあるが、牙を潜めている国もあるからだ。ロンドン五輪前年の世界選手権では5個の金メダル(男子2、女子3)を獲ったものの、本番では松本薫(57kg級)の1個のみに終わっていることを忘れてはいけない。

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