【ボクシング】井岡一翔vs八重樫東。史上初の統一戦を制するのは?

  • 原 功●文 text by Hara Isao
  • photo by AFLO

エリート街道を走る井岡一翔(写真)は八重樫東をどう攻略するのか?エリート街道を走る井岡一翔(写真)は八重樫東をどう攻略するのか? 6月20日、大阪・ボディメーカーコロシアム(大阪府立体育会館)で行なわれるミニマム級の世界王座統一戦、WBC王者・井岡一翔(井岡ジム)対WBA王者・八重樫東(大橋ジム)の一戦が注目を集めている。これまでにも薬師寺保栄対辰吉丈一郎のWBC世界バンタム級戦(1994年)、新井田豊対高山勝成のWBA世界ミニマム級戦(2007年)など、『日本人同士の王座統一戦』はあったものの、いずれも同じ団体内での『正王者対暫定王者』という組み合わせだった。今回のように勝者がWBA、WBCふたつのベルトを獲得する正真正銘の世界王座統一戦は、日本初となる。真のチャンピオンは井岡か、それとも八重樫か。

 ともにアマチュアで高校、大学と活躍したふたりだが、プロの道程は対照的だ。

 井岡は高校時代にインターハイや選抜大会など、6冠を達成。東農大ではポイントゲッターとして活躍した。北京五輪の夢が破れた2年時に中退し、元世界2階級制覇王者の叔父・井岡弘樹氏の井岡ジムからプロ転向を果たした。3戦目に世界ランカーを破り、6戦目には日本王座を獲得。昨年2月、日本最速となる7戦目で世界の頂点を極めた。すでに2度の防衛を果たしている。戦績は9戦全勝(6KO)。23歳。

 一方の八重樫はインターハイで優勝後、拓大に進学。2005年に大橋ジムから鳴り物入りでプロデビューした。5戦目でOPBF東洋太平洋王座を獲得し、7戦目には世界王座にも挑戦。しかし、顎の骨を骨折した末、大差の判定負け。エリートの評価は一気に急降下し、再起2戦目でも敗れるなど運気は底を這った。3年前に日本王座を獲得して上昇機運が生まれ、昨秋、4年の遠回りを経て悲願を達成。戦績は17戦15勝(8KO)2敗。29歳。

 エリート街道を突っ走る井岡と、エリートから雑草に転じて再浮上した八重樫。ふたりは得意とする戦い方も異なる。

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